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仮説・持論

「古老柿」と、ころ柿の王様「市田柿」を食べ比べてみた

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「柿が赤くなると医者が青くなる」
そんなことわざもある柿ですが、今回は熟成に熟成を重ねた「ころ柿」の記事です。
ころ柿の販売時期は地域によって違いますが、概ね12月末から3月です。

「古老柿」と「市田柿」は、いわゆる「ころ柿」と呼ばれるもので、干し柿にした後、表面に砂糖をまぶしたような白い「ブドウ糖」が覆うまで、ころころ転がせながら熟成させた干し柿の事を言います。

表面に上品な甘さの白い粉(ブドウ糖/果糖/ショ糖)をまとい、歯ごたえのある表層の食感と、「ようかん」の様な中身の食感が特徴で、筆者的には柿味の超高級グミのようなイメージです。

また、地域によって呼び方はそれぞれで、「枯露柿」「転柿」「白柿」と呼ばれていたりします。

因みに「古老柿」は京都府南部の宇治田原町の特産品で、「市田柿」は長野県南部の下伊那郡高森町下市田の特産品となります。

「ころ柿」と「あんぽ柿」との違い

熟成度
半熟で仕上げるのが「あんぽ柿」
完全熟成させるのが「ころ柿」

食感
あんぽ柿 表面はようかんの様な感じで、中はゼリーの様な食感
ころ柿 表面は歯ごたえがあり、中身はようかんの様な食感

収穫から出荷までの日数
あんぽ柿 20日~1ヵ月
ころ柿 1ヵ月半~2か月

古老柿

京都宇治田原の特産品で12月20日前後からJA直売所に並びだします。
果実はかなり小振りで大きな種が入っています。
それでも生産量が少ないので春一番が吹くころまでには完売する事が多いと思います。
一部ネット販売も見かけますが、基本的にはJAの直売所で購入できます。

品種 完全渋柿 鶴の子柿 しずく型 50g前後(干し柿になる前)

完全渋柿の為、ポリフェノール含有量が高い

干し柿の大きさは4cmくらいで小ぶりです。
粉が適度に吹き、程よい甘さと柿の味がおいしいのですが、小さい割に種が大きく(種は9割以上入っている)、一気に半分くらいを噛むと種を噛んでしまいます。
種は出せばよいのですが、種を強く噛むことで種の中のエキスが出てしまうのか、味が少し落ちてしまいます。
面倒ですが、種を噛みつぶさない様に柔らかく噛んで、種を取り出してから食べきるのが、おいしい食べ方です。

180g600円程度から販売されていますが、不揃い等でもっと安いパックが販売されている時もあります。

お問い合わせ先
JA京都やましろ宇治茶の郷 京都府綴喜郡宇治田原町大字郷之口小字中林12 0774-88-2629
古老柿


市田柿

長野県南部の下伊那郡、旧市田村で栽培されている市田柿ですが、干し柿の全国出荷量の約30%を占めており、ころ柿の出荷量全国1位の品種です。
基本的に種なしですが、たまに種が入っていることがあります。
大きさは古老柿よりは大きいですが、25g前後と食べやすいサイズ感です。
白い粉を贅沢に纏い、上品な甘さで非常においしい干し柿です。
基本的な断面はオレンジ色ですが、たまに断面が黄色の味が少し薄い物が混ざっていたりします。

品種 完全渋柿 市田柿 しずく型 100g~120g(干し柿になる前)

完全渋柿の為、ポリフェノール含有量が高い

干し柿の大きさは6cmくらい。
古老柿より甘い個体が多く、白い粉が「古老柿」よりも多く、甘さも平均的に「古老柿」よりも甘いと感じます。
購入したものの中には10個に1個くらい種が入っているものがあり、やはり種を強く噛むと中からエキスが出て味が落ちます。

150g800円程度から

問い合わせ先
JAみなみ信州 長野県飯田市鼎東鼎281 0265-56-2300
市田柿商品
出典:JAみなみ信州

総評

干し柿は冬の風物詩で、季節を味わう特別な食べ物です。

市田柿は出荷量も多く、ネームバリューも高く、手に入れる事が比較的やさしい「ころ柿」です。

古老柿は出荷量もネームバリューも限定地域に限られますが、不揃いなどは市田柿の半額程度で購入でき、コストパフォーマンスが高い干し柿です。

元々それぞれの地域でそれぞれの個性が楽しめる干し柿。
地域固有種と市田柿を比べ楽しむことは非常に楽しい事だと思います。

他の地域の「ころ柿」

どこの地域の「ころ柿」もネット通販では贈答品レベルの詰め合わせが多く超高級品です。
足を運ぶと割と安値でも販売している事が多いので、一度他の目的も兼ねながら出向いてみるのも面白いと思います。

  • 岐阜県美濃加茂市 堂上蜂屋柿 品種「堂上蜂屋柿」不完全渋柿 250g~350g(干し柿になる前)
問い合わせ先 JAめぐみの みのかも営農経済センター 岐阜県美濃加茂市前平町3-16 0120-882-731
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  • 山梨県甲州市 枯露柿 品種「甲州百目柿」不完全渋柿 350g~500g(干し柿になる前)
問い合わせ先 JAフルーツ山梨 山梨県甲州市塩山上塩後1100 0553-32-6500
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  • 石川県羽咋郡志賀町 ころ柿 品種「最勝柿」完全渋柿 200g前後(干し柿になる前)
能登志賀のころ柿は白い粉をまとっていないものも多く、白い粉をまとうものは1月以降に良く見られるようになります。
問い合わせ先 JA志賀本店 925-0154羽咋郡志賀町末吉新保向1 0767- 32-1155
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出典:米吉農園

  • 岩手県大船渡市 気仙小枝柿 品種「小枝柿」渋柿 小振り
問い合わせ先 JAおおふなと 岩手県大船渡市大船渡町字茶屋前167-4 2階・3階 0192-26-5211
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その他、宮城県丸森町のころ柿や富山県南砺地方で栽培する固有品種「三社柿」のころ柿は上記に続き有名です。

個人農園レベルでは、鳥取県中部・北栄町「西条柿」のころ柿、徳島県「大和柿」の大和干し柿、山梨県南アルプス市「大和百目」枯露柿などもあります。

甘柿と渋柿

柿は基本的にはそのまま生で食べるのがおいしい甘柿と、渋みを抜いて食べる渋柿に分かれますが、細分すると下記のようになります。

完全甘柿 渋みがもともと無い
不完全甘柿 種子が入ると渋みが抜ける
不完全渋柿 種子が入っても渋みが一部残る
完全渋柿 種子が入っても渋みが全体に残る

ポリフェノール含有量は完全渋柿が一番多く甘柿になるにつれ少なくなります。

渋柿の脱渋

渋柿の渋みは柿に含まれる水溶性タンニンが原因です。
甘柿にもタンニンは含まれているのですが、量が少なく不溶性の為、タンニンが口中で溶けださないので、甘みしか感じません。

渋柿の脱渋は、その水溶性タンニンを不溶性に変換する作業です。
渋柿の渋みを抜く方法は、干すか醂(さわ)すかですがいくつかあります。
  • 干し柿にする(皮をむいて2~3週間、陰干し)
  • 湯ざわし(50度前後の湯に1日さわす)
  • 焼酎ざわし(へた側を焼酎に漬け10日前後密閉する)
  • 炭酸ガスざわし(炭酸ガスやドライアイスで3~4日密閉する)

樹上で果実にアルコールの入った袋を掛けて渋を抜く、「きざわし」もあるようです。

渋抜きは、柿の種類や大きさ、密閉具合や温度等によって「さわす」時間が変わるので、一朝一夕ではいかないようです。

ころ柿の栄養

カリウム β-カロテン ビタミンA カルシウム マグネシウム 食物繊維などを多く含んでいます。

β-カロテンは体内でビタミンAに変換されるので、ビタミンAの宝庫とも言えます。
ビタミンAは、皮膚や粘膜を丈夫にしたり、光刺激反応の向上で視力の維持に効果がある他、がんの予防、免疫力の強化、アンチエイジングなど、健康を保つために重要な働きをする栄養素です。

ビタミンAは摂取上限量が定められていますが、β-カロテンはビタミンAが体内に足りているときはビタミンAに変換されないので摂取上限量はありません。

カリウムは高血圧予防効果があります。

柿ポリフェノール(タンニン)は食後血糖値の上昇を抑制する効果があると報告されています。
※出典:柿ポリフェノールの機能性 米谷俊 竹森久美子 近畿大学農学部食品栄養学科2016年
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