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クマが指定管理鳥獣に 山に行くならクマ対策を忘れずに

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環境省は2024年2月8日、ヒグマやツキノワグマを「指定管理鳥獣」にすることを決定。
これで4月にも「熊」が指定管理鳥獣に。

指定後は、都道府県や個人の負担だけでなく、国からの交付金も使える事で、捕獲やゾーニング対策などが効果的に行われることが期待できる。

主な交付金対象事業

  • 効果的捕獲促進事業
  • 認定鳥獣捕獲等事業者等の育成
  • ジビエ利用拡大等のための狩猟捕獲支援

熊の被害は、年々深刻化が増していて、作物や家畜を食い荒らすほか、深刻な人身被害がおきています。

2023年度の被害者は、2024年1月末の時点の暫定値で、19の道府県で少なくとも218人(内死者6人)。

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出典:あきた森づくり活動サポートセンター
過去10年の人身被害(全国)
  • ヒグマ 人身被害者45人 死者8人 致死率17.8%
  • ツキノワグマ 人身被害者1,095人 死者16人 致死率1.5%
(環境省データ参考)

西日本での熊にまつわる死亡事故
  • 鳥取県 2010年8月18日(5:40頃) 男 82 鳥取市用瀬町 柿畑で罠にかかったクマと鉢合わせ、頭部を負傷 死亡
  • 奈良県 2022年12月14日(9時頃) 男 28 上北山村の和佐又山~大普賢岳の頂上に向かう途中、クマに体当たりされ崖下へ転落 死亡
  • 兵庫県 2022年10月14日(早朝) 紀州犬2匹 佐用町口金近 敷地内に首輪でつながれた3匹の内2匹 死亡

西日本の熊による負傷者数
2008年度から2023年度速報値
101人
(環境省)

※負傷者の約9割は、頭部に何らかの傷を負っていて、半数は組織をえぐり取られるような深い傷を負っており、命は助かっても傷跡や後遺症が残るという事で、非常に危険であることが良く分かる。

筆者のツキノワグマ遭遇体験
筆者は近年、近畿地方を中心に星空の撮影等、夜間撮影に出かける事がありますが、2020年と2021年の2年間で3回ツキノワグマと遭遇しました。

最初に遭遇したのは、奈良県と和歌山県の県境にある山の細い車道。
夕方まだ明るいうちでしたが、道路脇にちょっとした広場があったので、車を止めようと進入したところ、ツキノワグマ1頭が車の前を駆け抜けていきました。

次は、夜中の和歌山県の国道(スカイライン)のきつい上り坂で、熊が突然筆者の車と並走しだしました。
車のスピードを落としたところ追い抜いていき、茂みに入って行ったのですが、そこを通過する際、歯をむき出しにして威嚇しながら茂みから出てきました。

3回目は、兵庫県丹波市の田んぼと山に囲まれた人里で、日が暮れてから、古びた神社の駐車スペースで、車の横に立っていた時でした。
”ボトン”という音で振り向くと、黒い大きな何かが神社の森の中に走って行きました。
暗くてよくわからなかったのですが、音がした場所に何かが落ちていたので確認しに行くと、咥えてきたのか、鹿の切断された下半身が落ちていました。

その後は遭遇はしていませんが、木に残った爪のあとや、糞の痕跡とは出会ったことはあります。

ツキノワグマは動物も人肉も食べる危険な動物

熊は警戒心が強く、人がいると感じると出てこないなどと言われる方も中にはいますが、熊は元来臆病では無く狂暴です。
食性は雑食なので、死肉や木の実やキノコ類が豊富にあると、わざわざ捕まえにくい動物を危険を冒して食べる事はありません。
しかし、狩るのが簡単で危険ではないと判断すると、好んで動物(小動物やシカの子供)を食べる事が知られています。
特に簡単に狩れる家畜(子牛やニワトリ)の被害は東北地方では深刻です。

よく、ヒグマと違いツキノワグマは人間を食べないと誤解している人がいるが、ツキノワグマも人間を食べます。
人間を襲うときは、首や頭をねらってきます。
そして多くの個体は腹を主に食べます。

ヒグマとツキノワグマに共通ですが、人間の出す残飯の味を覚えた個体は非常に危険です。
そういう個体は人間を恐れなくなる傾向にあります。

写真家で冒険家の星野道夫さんも、餌付けされたヒグマに夜間テントを襲撃され、無残にも命を奪われてしまいました。

不用意に彼らのテリトリーに入った場合は非常に危険です。


熊と遭遇しないために

あきた森づくり活動サポートセンターには下記のように記載があります。
  1. 一人ではなく複数で行動すること。
  2. 音で自分の存在をアピール・・・「クマ避け鈴」や「ラジオ」、「笛」、「爆竹」。
  3. 残飯や生ゴミは絶対に捨てないこと。餌付いたクマは、人間に寄ってくるので危険。
  4. 臭いでアピール・・・腰に下げる「蚊取線香」も有効。夏は、虫よけとクマ避けの一挙両得のアイテム。
  5. 危険なクマの出没警報が出されている周辺には、絶対に立ち入らないこと。
  6. 万が一の遭遇に備えて「熊撃退スプレー」の携帯。

熊は意外と里にも下りてきています。
最も危険なのは春や秋と言われますが、ゴールデンウィークから初夏にかけても活発に行動します。 kuma-7.png出典:環境省

熊の気配を感じたり遭遇してしまったら

とにかくその場を離れなくてはならないのですが、正解はありません。
上にも記していますが、ツキノワグマ人身被害での致死率は1.5%です。
あきらめないことが肝心です。

四つん這いの状態のクマの大きさをあなどってはいけません。
分かりやすいのは、身長180cmくらいの、がっちりした男性が四つん這いになったら、体高はせいぜい80cm程です。
クマも同じです。
自分の腰の高さほどの体高のクマでも、立ち上がれば自分より大きいのです。

環境省によると
遠くにクマがいることに気がついたとき
  • 落ち着いてその場から離れましょう。
  • クマをおどろかすので、大声を出したり、走って逃げるのはやめましょう。
  • 写真をとるためフラッシュを使うのも止めましょう。
近くにクマがいることに気がついたとき
  • 落ち着いてゆっくりとその場から離れましょう。その際、クマに背を向けずに、クマを見ながら、ゆっくり落ち着いて後退してください。
すぐ近くで出会ったとき
  • あわてた人の急な動作で驚いて、攻撃してくることがあるので、冷静に、あわてず、クマが立ち去ってからその場を離れましょう。
  • 突発的におそわれたら、両腕で顔や頭や腹をガードして、致命傷を避ける努力が必要です。

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出典:環境省

最後に 

古くから人間と熊は、同じテリトリーで山菜採りや林業をしているので、熊の人身被害は江戸時代から文献で残っています。
近年はキャンプ場や観光施設が、熊のテリトリーにどんどん建設され、インフラの整備の為に更に熊のテリトリーを侵害しています。

更に温暖化で冬眠しない熊が増えていることや、異常気象で木の実やキノコといった熊の主食が不作になったりすることで、熊は人間のテリトリーにどんどん進出してきています。

熊を人間の勝手で殺すなと訴える人もいますが、そういう人たちは、家畜を食べられたり、家族を食べられたりした経験を持ってもそんなことが言えるのでしょうか。

近年の自然保護で、小動物を含め、鹿がかなり数を増やしています。
小動物やシカが増えると、熊も増えます。
鹿の農作物への被害は甚大です。
熊は農作物への被害はそれほどでもないのかもしれませんが、家畜被害や人身被害が深刻になりつつあります。

人間と動物や自然の共存は、人類の大きなの課題の一つである事は間違いないと思います。
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